不動産を遺贈寄付する時の注意点|受け入れ可否とみなし譲渡

不動産を遺贈寄付する時の受け入れ確認やみなし譲渡などの注意点を紹介する記事のアイキャッチ

当サイトはgooddo(gooddo株式会社)・遺贈寄付ガイドの公式サイトの公開情報と、国税庁・法務省・裁判所・内閣府など公的機関の情報をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や掲載内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトで確認してください。税金や遺言の個別の判断は、税理士・弁護士・司法書士・税務署・公証役場などにご相談ください。記事内には広告を含みます。

自宅や土地を持っていると、『この家も、最後は社会の役に立てられないかな』と考えることがありますよね。遺贈寄付では、現金だけでなく不動産を寄付先に託すこともできます。

結論から言うと、不動産の遺贈寄付は、団体が受け入れてくれるかの確認と、家族にかかる「みなし譲渡」の税金の確認が欠かせません。現金より準備が多い分、遺言書を作る前に動いておくのが大切です。

この記事を読むと、不動産を遺贈寄付する前に確かめたいことと、関わる税金の基本が分かります。

目次

不動産も遺贈寄付できる?受け入れの考え方

遺贈寄付ガイド(運営: gooddo株式会社)のよくある質問では、不動産の遺贈は土地や建物が対象で、自宅・別荘・空き地・賃貸物件なども含まれると説明しています。

ただし、同じよくある質問では、不動産は売却して現金にし、寄付先の活動資金として使われるのが一般的とされています。団体がそのまま使い続けるケースばかりではないんです。

先に結論

不動産の遺贈寄付は、どの団体でも受け付けているわけではありません。遺言書に書く前に、寄付先に「この不動産を受け入れてもらえるか」を確かめておきましょう。

不動産を受け入れる団体はどのくらい?

遺贈寄付ガイドの寄付先一覧(2026年10月時点)では、掲載142件のうち、寄付する財産の種類で「不動産」に当てはまる団体は86件です。現預金は137件なので、不動産は受け入れる団体が少なめだと分かります。

寄付する財産の種類遺贈寄付ガイドの該当件数(2026年10月時点)
現預金137件
金融資産(有価証券など)94件
不動産86件
全財産57件
一般動産(自動車・骨董品など)51件

受け入れてもらえない理由として考えられること

団体からすると、不動産は売るまでに手間と時間がかかります。管理や売却のしやすさによっては、受け入れが難しいこともあるんです。

『古い家だし、迷惑にならないかな』と心配な方もいるかもしれません。だからこそ、先に相談しておくことに意味がありますよ。

団体に聞いておきたいこと
  • 不動産の遺贈を受け付けているか
  • 受け取った後、売却するのか、使うのか
  • 建物が古い場合や、空き家の場合も相談できるか
  • 売却にかかる費用や手続きを、誰が負担するか
  • 遺言書にどう書けばよいか

不動産の遺贈寄付で関わる税金

不動産の遺贈寄付では、現金にはない税金が関わってきます。主なものは次の3つです。

税金ポイント出典(2026年10月時点)
所得税(みなし譲渡)法人への遺贈は時価で売ったものとみなされ、相続人が納めることがある国税庁タックスアンサー3108
登録免許税名義変更の登記で、相続人以外への遺贈は「その他」の1,000分の20の区分国税庁タックスアンサー7191
不動産取得税相続人以外への特定遺贈は課税、包括遺贈は非課税東京都主税局

税金の全体像は、遺贈にかかる税金|相続税・登録免許税・不動産取得税の基本で紹介しています。

みなし譲渡:家族が所得税を払うことも

国税庁のタックスアンサー3108では、個人が土地や建物を法人に寄附(遺贈を含む)した時は、寄附時の時価で譲渡があったものとみなされ、所得税がかかると説明しています。

遺贈寄付ガイドのよくある質問では、この場合に納税義務を負うのは受け取る団体ではなく、遺贈者の相続人だとされています。家族は不動産を受け取らないのに、税金だけ払うことになりかねないんです。

不動産を法人に遺贈するとみなし譲渡で相続人に所得税がかかることがある仕組みを示した図解

非課税になる特例

タックスアンサー3108では、国や地方公共団体への寄附は、特別な手続きなく非課税とされています。公益法人等への寄附は、国税庁長官の承認を受けた時に非課税になります。

承認の申請は、寄附の日から4か月以内(11月16日から12月31日の寄附は確定申告期限まで)が期限です(国税庁「租税特別措置法第40条の規定による承認申請」)。遺贈の場合は、相続人や包括受遺者が申請します。

承認には、寄附された財産が寄附から2年以内に公益の事業に直接使われることなどの要件があります。売却を前提にした遺贈で使えるかは、団体と税理士に確かめておきましょう。

包括遺贈と特定遺贈、不動産ではどちらがいい?

遺言書の書き方には、財産の割合で渡す「包括遺贈」と、財産を決めて渡す「特定遺贈」があります。不動産の場合は、どちらの形かで影響が変わります。

遺贈寄付ガイドのよくある質問では、包括受遺者は相続人と同じ立場になり、借金などの負債も引き継ぐ可能性があるため、包括遺贈を受け入れない団体もあると説明しています。

特定遺贈(「この土地と建物を」)
  • 渡す財産がはっきりする
  • 団体が受け入れを判断しやすい
  • 負債を引き継がせる心配が少ない
包括遺贈(「全財産の2分の1を」)
  • 不動産も負債も割合で引き継ぐ
  • 受け入れない団体がある
  • 遺産の分け方の話し合いに団体が加わる

不動産取得税は、東京都主税局の案内では、相続人以外への特定遺贈が課税、包括遺贈は非課税とされています。ただ、税金だけで形を選ぶのではなく、団体が受け入れやすい形かどうかを先に確かめるのがおすすめです。

違いは包括遺贈と特定遺贈の違い|寄付先が受け入れやすいのはどっちでくわしく紹介しています。

土地を国や自治体に寄付したい時は

『団体ではなく、国や市区町村に土地を寄付できないの?』という方もいますよね。税金の面では、国や地方公共団体への寄附はみなし譲渡の所得税が非課税です(タックスアンサー3108)。

ただ、国や自治体が土地を受け入れるかどうかは、それぞれの判断になります。市区町村に寄付したい時は、先に担当の窓口に相談してみてください。流れは自治体に遺贈寄付はできる?土地や財産を市区町村に寄付する時の流れで紹介しています。

相続した土地を手放す制度もある

法務省の案内では、相続や遺贈で土地を取得した相続人が、一定の要件を満たすと土地を国庫に帰属させられる「相続土地国庫帰属制度」が、2023年4月27日から始まっています。

これは寄付とは別の制度で、手続きや費用の細かな点は法務省の案内で確かめる必要があります。家族が土地の扱いに困りそうな時の選択肢として、知っておくとよいですね。

不動産の遺贈寄付を進める流れ

不動産の遺贈寄付は、次の順番で進めると手戻りが少なくなります。

不動産を遺贈寄付する時の流れ
  1. 不動産の所在・名義・固定資産の価格を確かめる
  2. 寄付先の候補に、受け入れの可否と方法を相談する
  3. 税理士にみなし譲渡など税金の影響を見てもらう
  4. 特定遺贈の形で、遺言書に不動産を特定して書く
  5. 遺言執行者を決め、登記や売却の手続きを任せられるようにする
不動産の確認から寄付先への相談、税金の確認、遺言書作成、遺言執行者の指定までの流れを示した図解

遺言執行者がいると、登記や売却の手続きを進めやすくなります。民法1012条では、遺言執行者は遺言の内容を実現するために必要な一切の行為をする権利義務を持つとされています。

家族には、例えば「この家は○○に寄付するつもりで、遺言執行者もお願いしてある」と伝えておくと、あとで戸惑わずにすみます。

寄付先を探す具体例として、遺贈寄付ガイド(gooddo)の場合

寄付先を探す方法には、団体の公式サイトを見る、専門家に相談する、自治体の窓口に聞く、寄付先の情報サイトを使う、などがあります。不動産の場合は、受け入れの可否で候補をしぼれる方法が便利です。

一例として、gooddo(グッドゥ)が運営する遺贈寄付ガイドでは、寄付する財産の種類で「不動産」を選んで団体を探せます。2026年10月時点で掲載は142件、不動産に当てはまる団体は86件です(公式サイトの記載)。

団体ページには、受け入れる財産の種類や法人格、財務データへのリンクが載っています。遺贈寄付の専門家と協力した無料相談会も案内されています。

公式のよくある質問では、団体に相談しても寄付しなければならないわけではなく、決めるのは相談者自身だと説明しています。不動産を受け入れてもらえるか、まず聞いてみるところから始めてみてください。

遺贈寄付ガイド

遺贈寄付ガイドで、想いを託せる寄付先を探してみる

gooddoが運営する遺贈寄付ガイドでは、子ども・教育や医療、動物保護、災害救援など活動テーマや、現預金・不動産・有価証券といった寄付したい財産の種類、寄付金控除や紺綬褒章の推薦への対応などの条件から寄付先を探せます。専門家と協力した無料相談会も案内されています。

相談無料遺贈寄付ガイドで寄付先を探す

(gooddoが運営する遺贈寄付ガイドの公式サイトに移動します)

遺贈寄付は、自分の生活を優先し、余裕のある範囲で考えるものです。制度は変わることがあるので、最新の内容は国税庁・法務省などの公式サイトで確認してください。個別の判断は、税理士・弁護士・司法書士・税務署・公証役場で確認しましょう。

よくある質問

自宅や空き地も遺贈寄付できますか?

遺贈寄付ガイドのよくある質問では、自宅・別荘・空き地・賃貸物件なども不動産の遺贈の対象とされています。ただし受け入れるかは団体しだいなので、遺言書を作る前に確かめておきましょう。

不動産を遺贈寄付すると家族に税金がかかりますか?

法人に不動産を遺贈すると、時価で譲渡したものとみなされ、相続人が所得税を納めることがあります(国税庁タックスアンサー3108)。国や地方公共団体への寄附は非課税で、公益法人等は国税庁長官の承認で非課税になる特例があります。

土地を国に寄付することはできますか?

国や地方公共団体への寄附は、みなし譲渡の所得税が非課税とされています。ただ、受け入れるかは国や自治体の判断なので、まず担当の窓口に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 不動産も遺贈寄付できるが、受け入れるかは団体ごとに違う
  • 不動産は売却して活動資金にするのが一般的とされている
  • 法人への遺贈はみなし譲渡で相続人に所得税がかかることがあり、承認による非課税の特例もある
  • 包括遺贈は負債も引き継ぐため受け入れない団体があり、特定遺贈で書くと判断してもらいやすい
  • 国や自治体への寄附はみなし譲渡が非課税だが、受け入れは窓口に確認する
寄付サイトガイド

寄付サイトガイド 編集部

寄付と遺贈寄付の仕組み、寄付先の選び方、寄付金控除や相続税の扱い、遺言書の作り方を、公式情報と国税庁・法務省など公的機関の情報をもとに整理している案内サイトです。 公式サイト

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