おひとりさまの遺言と寄付の考え方|子どものいない夫婦が決めておきたいこと

おひとりさまや子どものいない夫婦が遺言と寄付を考える時のポイントを紹介する記事のアイキャッチ

当サイトはgooddo(gooddo株式会社)・遺贈寄付ガイドの公式サイトの公開情報と、国税庁・法務省・裁判所・内閣府など公的機関の情報をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や掲載内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトで確認してください。税金や遺言の個別の判断は、税理士・弁護士・司法書士・税務署・公証役場などにご相談ください。記事内には広告を含みます。

ひとり暮らしの方や、子どものいないご夫婦にとって、「自分の財産はこの先どうなるのだろう」という疑問は、ふとした時に浮かびますよね。誰かに聞きにくい話だからこそ、そのままにしている方も多いはずです。

結論から言うと、おひとりさまや子どものいない夫婦こそ、遺言を用意しておくと安心です。遺言がないと、財産は民法の決まりどおりに引き継がれ、思っていた人や団体に届かないことがあるからです。

この記事を読むと、相続人の決まり方と、遺言で決めておきたいこと、財産の一部を寄付する考え方が分かります。

目次

遺言がないと、財産は誰に引き継がれる?

遺言がない場合、財産は民法で決められた相続人に引き継がれます。相続人になる人と順番は、民法887条・889条・890条で決まっています。

先に結論

配偶者は常に相続人です。子どもがいなければ親などの直系尊属、親もいなければ兄弟姉妹が相続人になります。

家族の形ごとに、民法900条の法定相続分をまとめておきますね。

家族の形相続人法定相続分(民法900条)
子どものいない夫婦(親が健在)配偶者と親配偶者3分の2、親3分の1
子どものいない夫婦(親はいない)配偶者と兄弟姉妹配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
独身で親が健在親親がすべて
独身で親はいない兄弟姉妹兄弟姉妹がすべて
相続人がいないなし最終的に国庫に帰属(民法959条)
家族の形ごとに、配偶者・親・兄弟姉妹の誰が相続人になるかと、相続人がいない時は国庫に帰属することを示した図解

『自分には頼れる家族がいないから、財産のことは考えなくていい』と思っている方もいるかもしれません。ただ、相続人がいない場合、手続きを経て処分されなかった財産は、最後は国庫に帰属します(民法959条)。

お世話になった人や、応援したい活動に財産を役立ててほしい。そう思うなら、遺言で行き先を決めておくことが大切なんです。

子どものいない夫婦が遺言を考えたい理由

子どものいない夫婦の場合、配偶者が亡くなると、もう一方の配偶者と、亡くなった人の親や兄弟姉妹が一緒に相続人になることがあります。

例えば、親がすでにいなければ、配偶者と兄弟姉妹で遺産を分ける話し合いが必要になります。ふだん付き合いの少ない兄弟姉妹と、自宅や預金の分け方を話し合うのは、気が重いですよね。

兄弟姉妹には遺留分がない

ここが大事なところです。民法1042条では、遺留分(法律で保障された最低限の取り分)を持つのは「兄弟姉妹以外の相続人」とされています。

つまり、配偶者と兄弟姉妹が相続人になる場合、遺言で「すべての財産を配偶者に」と決めておけば、その内容を実現しやすくなります。親が相続人になる場合は親に遺留分があるので、考え方が変わります。

遺留分のくわしい仕組みは、遺留分とは?遺贈寄付の前に知っておきたい相続人の取り分で紹介しています。

夫婦それぞれが書いておく

遺言は一人ずつ作るものです。夫婦で同じ考えでも、それぞれが自分の遺言を用意しておく必要があります。

もう一つ考えておきたいのが、二人とも亡くなった後のことです。「配偶者が先に亡くなっていた場合は、財産をこの団体に寄付する」のように、もしもの時の行き先も書いておく方法があります。

おひとりさまの遺言で決めておきたいこと

『遺言って、何を書けばいいの?』と手が止まる方も多いはずです。おひとりさまの場合は、財産の行き先に加えて、遺言を実行してくれる人を決めておくことが大切になります。

遺言を作る前に整理しておきたいこと
  • 預金・不動産・有価証券など、財産の一覧を作る
  • 財産を渡したい人や団体を書き出す
  • 寄付したい団体があれば、受け入れの条件を問い合わせる
  • 遺言の内容を実行してくれる遺言執行者を考える
  • 遺言をどの方式で作り、どこに保管するかを決める

遺言執行者を決めておく

遺言執行者は、遺言の内容を実現する人です。民法1006条で、遺言の中で指定できると決められています。

身近に頼める家族がいない場合、遺言執行者が決まっていないと、手続きを進める人がいなくなることも。遺言執行者がいない時は、利害関係人の申立てで家庭裁判所が選任できますが、遺言で決めておくほうが手続きはスムーズです(裁判所)。

役割や選び方は、遺言執行者とは?役割と選び方を読んでみてください。

相談できる人が身近にいない時は

『遺言の証人や執行者を頼める人がいない…』という悩みもよく聞きます。遺贈寄付ガイドのよくある質問では、そうした場合は寄付先の団体や、市区町村の無料法律相談などに相談する方法が紹介されています。

公証役場でも、遺言の作り方について相談できます。日本公証人連合会によると、公証業務の相談は無料です。

遺言は書き直せる

遺言を作ったら終わり、ではありません。民法1022条では、遺言者はいつでも、遺言の方式に従って遺言の全部または一部を撤回できるとされています。

気持ちや財産の状況が変わったら、書き直してかまわないんです。まずは今の思いで作ってみる、という気軽さで始めてみてください。

遺言の方式を比べてみる

ふだん使われる遺言の方式は、自筆証書遺言と公正証書遺言です(民法967条)。自筆証書遺言は、法務局に預ける保管制度も使えます。

比べること自筆証書遺言自筆証書遺言(法務局で保管)公正証書遺言
作り方全文・日付・氏名を自書し押印(民法968条)自書したものを法務局に預ける証人2人以上の立会いで公証人が作る(民法969条)
家庭裁判所の検認必要不要不要
費用の目安検認の時に収入印紙800円分など(裁判所)保管の申請1件3,900円(法務省)財産の価額などに応じた手数料(日本公証人連合会)
向いている人手軽に始めたい人自分で書きつつ、紛失を防ぎたい人内容をしっかり確かめながら作りたい人
自筆証書遺言・法務局で保管する自筆証書遺言・公正証書遺言の作り方と検認の有無を比べた図解

おひとりさまの場合、遺言書を見つけてもらえるかも気になるところですよね。法務局の保管制度には、亡くなった後に、指定した人へ遺言書が保管されていることを知らせる通知の仕組みがあります(法務省)。

方式ごとのくわしい手順は、公正証書遺言とは?作り方と費用の目安と自筆証書遺言書保管制度とは?で紹介しています。費用や手続きは変わることがあるので、最新は各公式ページで確認してください。

財産の一部を寄付するという選択肢

「お世話になった社会に、少しでも恩返しがしたい」。そんな思いから、遺言で財産の一部を団体に寄付する「遺贈寄付」を考える方もいます。

遺贈寄付ガイドのよくある質問では、遺贈寄付には金額の下限は一般的にないと説明されています。全部でなく一部だけを寄付することもできます。

寄付先に先に相談しておく

不動産や有価証券は、受け入れていない団体もあります。財産の全部や一定の割合を託す「包括遺贈」を受け入れない団体もあるので、遺言を書く前に寄付先に相談しておきましょう。

相続や遺贈で取得した財産を、相続税の申告期限までに国や特定の公益法人などに寄附した場合の特例は、国税庁のタックスアンサー4141に載っています(2026年10月時点)。税金の扱いは財産や寄付先で変わるので、税理士や税務署に確認してください。

寄付の仕組みから知りたい方は、遺贈寄付とは?仕組みと始め方が参考になりますよ。

寄付先を探す具体例として、遺贈寄付ガイド(gooddo)の場合

寄付先を自分で一から探すのは、なかなか大変ですよね。寄付先の情報サイトのひとつ、gooddo(グッドゥ)が運営する遺贈寄付ガイドを例に見てみます。

遺贈寄付ガイドには、2026年10月時点で142件の団体が掲載されています。活動テーマや寄付する財産の種類、包括遺贈の相談や対面相談などの対応可能項目から探せます。

遺贈寄付の専門家と協力した無料相談会も実施されています。公式のよくある質問では、近くに相談できる人がいない方を対象に案内されていて、相談したからといって寄付しなければならないわけではないと説明されています。

使い方は遺贈寄付ガイドの使い方で紹介しています。ひとりで抱え込まず、まずは相談してみるのも一つの方法です。

遺贈寄付ガイド

遺贈寄付ガイドで、想いを託せる寄付先を探してみる

gooddoが運営する遺贈寄付ガイドでは、子ども・教育や医療、動物保護、災害救援など活動テーマや、現預金・不動産・有価証券といった寄付したい財産の種類、寄付金控除や紺綬褒章の推薦への対応などの条件から寄付先を探せます。専門家と協力した無料相談会も案内されています。

相談無料遺贈寄付ガイドで寄付先を探す

(gooddoが運営する遺贈寄付ガイドの公式サイトに移動します)

遺言や相続、寄付の税金の扱いは、家族の状況や財産で変わります。個別の判断は、税理士・弁護士・司法書士・税務署・公証役場で確認してください。

よくある質問

おひとりさまが遺言を作らないと、財産はどうなりますか?

民法の決まりに従い、親や兄弟姉妹などの相続人に引き継がれます。相続人がいない場合は、手続きを経て処分されなかった財産が最後に国庫に帰属します(民法959条)。

子どものいない夫婦は、遺言で配偶者にすべて残せますか?

兄弟姉妹には遺留分がないので(民法1042条)、配偶者と兄弟姉妹が相続人なら、遺言で配偶者にすべてを残す内容にしやすくなります。親が相続人になる場合は親に遺留分があるので、専門家に相談してみてください。

遺言で寄付するのに、まとまった財産は必要ですか?

遺贈寄付ガイドのよくある質問では、遺贈寄付の金額に下限は一般的にないと説明されています。ただ、受け入れの条件は団体ごとに違うので、先に寄付先に確認しておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 遺言がないと、財産は民法の決まりどおり相続人に引き継がれる
  • 相続人がいなければ、最後は国庫に帰属する(民法959条)
  • 兄弟姉妹には遺留分がないので、子どものいない夫婦は遺言の効果が大きい
  • おひとりさまは遺言執行者と保管方法まで決めておくと安心
  • 遺贈寄付は一部だけでもでき、寄付先には事前に相談する
寄付サイトガイド

寄付サイトガイド 編集部

寄付と遺贈寄付の仕組み、寄付先の選び方、寄付金控除や相続税の扱い、遺言書の作り方を、公式情報と国税庁・法務省など公的機関の情報をもとに整理している案内サイトです。 公式サイト

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