遺言書で寄付・遺贈する書き方|文例と気をつけたいこと

遺言書で団体に寄付する遺贈の書き方と文例を紹介する記事のアイキャッチ

当サイトはgooddo(gooddo株式会社)・遺贈寄付ガイドの公式サイトの公開情報と、国税庁・法務省・裁判所・内閣府など公的機関の情報をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や掲載内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトで確認してください。税金や遺言の個別の判断は、税理士・弁護士・司法書士・税務署・公証役場などにご相談ください。記事内には広告を含みます。

遺言書で財産の一部を寄付したいと思っても、『どう書けば団体に届くの?』と手が止まりますよね。家族に渡す時とは書き方が違うのでは、と不安になる方も多いはずです。

結論から言うと、団体への寄付は、遺言書に「遺贈する」と書いて渡します。団体の正式な名称、渡す財産、遺言執行者の3つをはっきり書けば、遺言の骨組みはできあがります。

この記事では、遺贈の遺言書の文例と、書く前に決めておきたいこと、無効や受け取り不可を防ぐための注意点が分かります。

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目次

遺言書で寄付するとは?「遺贈」の仕組み

遺言によって、個人や団体に財産を渡すことを遺贈といいます。遺贈寄付ガイド(運営: gooddo株式会社)のよくある質問では、遺贈で財産を受け取る相手は親族に限らず、第三者や法人なども指定できると説明しています。

社会の役に立ててもらうことなどを目的に、遺言で財産の一部または全部を団体に寄付することを、遺贈寄付と呼びます。生前の寄付との違いは、亡くなった時に渡すというタイミングです。

先に結論

団体への寄付は、遺言書に「【団体名】に遺贈する」と書きます。法務省の案内では、相続人になる予定の人以外には「相続させる」ではなく「遺贈する」と書くとされています。

遺言書には決まった方式がある

民法967条では、ふだん使う遺言の方式として、自筆証書・公正証書・秘密証書の3つが定められています。方式に合わない遺言は無効です。

日本公証人連合会によると、生前に口で伝えていたことや、録音・録画した言葉には、遺言としての効力がありません。『家族に話してあるから大丈夫』と思っても、寄付の意思は遺言書の形で残しておく必要があるんです。

遺言は満15歳からいつでも作れる

日本公証人連合会の説明では、遺言は満15歳以上であれば、いつでもできます。判断する力があるうちに作っておくことが大切だとされています。

遺言は、何回でも書き直せます。『まだ早いかな』と思う時期に一度作っておき、考えが変わったら見直すという進め方でも大丈夫ですよ。

遺言書以外で寄付する方法もある

遺贈寄付ガイドのよくある質問では、遺言書以外の方法も紹介されています。例えば、生命保険の受取人に団体を指定できる場合があり、手続きは保険会社と団体の双方に確かめる必要があるそうです。

信託銀行などを通して財産を預け、亡くなった後に寄付を実現する方法もあります。また、相続人が相続した財産を寄付する「相続財産の寄付」は遺言書がなくてもできますが、あくまで相続人の意思で行われるものです。

『寄付先は自分の意思で決めておきたい』という場合は、やはり遺言書で遺贈を書いておくのが基本になります。遺言書なら、どの団体に何を渡すかを自分の言葉で残せるからです。ほかの方法は生命保険や信託を使った寄付で紹介しています。

遺言書を書く前に決めておきたいこと

文例を見る前に、中身を決めておきましょう。ここが固まっていないと、書いた後で書き直しになることがあります。

遺贈の遺言書を書く前のチェック
  • 寄付先の団体の正式な名称と所在地
  • 団体に渡す財産(どの預金か、いくらか、財産の何割か)
  • 家族や親族に渡す財産と、その相手
  • 遺言の内容を実現する遺言執行者
  • 寄付先や家族が先にいなくなった時の代わりの定め
  • 家族への気持ちや寄付の理由など、添えたい言葉

寄付先には先に問い合わせておく

ここが大事なところです。団体によって、受け入れられる財産や渡し方が違います。

遺贈寄付ガイドのよくある質問では、不動産や有価証券は売却して活動資金にするのが一般的で、受け入れられるかは事前に団体に確かめることが大切だとしています。財産を割合で渡す包括遺贈を受け入れていない団体もあるそうです。

問い合わせる時は、例えば次のようなことを聞いてみてください。

  • 「遺贈寄付を受け入れていますか。窓口はどちらですか」
  • 「この財産(預金・不動産・株式など)は受け入れてもらえますか」
  • 「財産の何割という渡し方でも受け入れてもらえますか」
  • 「遺言書に書く正式な名称と所在地を教えてください」
  • 「遺言書の書き方の例や、相談できる専門家はありますか」

遺贈寄付ガイドのよくある質問によると、団体に相談したからといって寄付しなければならないわけではありません。決めるのは自分なので、気軽に聞いてみてくださいね。

「特定の財産」で渡すか「割合」で渡すか

渡し方には2つあります。民法964条では、遺言者は包括または特定の名義で、財産の全部または一部を処分できると定められています。

渡し方書き方のイメージ気をつけたいこと
特定遺贈「この預金を」「金何円を」のように財産を特定する書いた財産が亡くなる時に残っているかを考えておく
包括遺贈「財産の全部を」「財産の何割を」のように割合で決める受け取る団体が借金なども引き継ぐことがあり、受け入れない団体もある

民法990条では、包括受遺者は相続人と同じ権利義務を持つとされています。違いは包括遺贈と特定遺贈の違いで詳しく紹介しています。

遺贈の遺言書の文例

ここからは、団体に寄付する時の文例を紹介します。【 】の部分は、実際の内容に置きかえてください。

文例はあくまで書き方のイメージです。財産や家族の状況によって書き方は変わるので、実際に作る時は弁護士などの専門家や公証役場に確かめてもらいましょう。

遺贈の遺言書に書く、寄付先・渡す財産・遺言執行者・付言事項の4つの要素を示した図解

文例1:特定の預金を団体に遺贈する

もっともよく使われるのが、預金を特定して渡す書き方です。

文例1

第1条 遺言者は、遺言者名義の下記の預金を、【団体の正式な名称】(所在地【所在地】)に遺贈する。
記
【金融機関名】【支店名】 【預金の種類】 口座番号【番号】

金融機関名や口座番号は、通帳を見ながら正確に書きます。口座が複数ある時は、それぞれを分けて書いておくと分かりやすくなります。

文例2:金額を決めて団体に遺贈する

預金の中から決まった金額を寄付したい時の書き方です。

文例2

第1条 遺言者は、遺言者の有する預貯金の中から、金【金額】円を、【団体の正式な名称】(所在地【所在地】)に遺贈する。

金額で決める時は、亡くなる時の預金がその金額を下回る可能性も考えておきましょう。足りない時にどうするかも、専門家と相談しておくと安心です。

文例3:財産の割合を団体に遺贈する

財産の何割かを寄付したい時の書き方です。包括遺贈になるので、寄付先が受け入れているかを先に確かめてから使いましょう。

文例3

第1条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産のうち、【割合】を、【団体の正式な名称】(所在地【所在地】)に包括して遺贈する。

文例4:家族の分と寄付の分を分けて書く

家族にも財産を残す時は、条ごとに分けて書くと読みやすくなります。法務省の様式例でも、相続人になる予定の人には「相続させる」または「遺贈する」と書くとされています。

文例4

第1条 遺言者は、遺言者の有する下記の不動産を、遺言者の【続柄】【氏名】(【生年月日】生)に相続させる。
第2条 遺言者は、遺言者名義の下記の預金を、【団体の正式な名称】(所在地【所在地】)に遺贈する。
第3条 遺言者は、前2条に記載した財産以外の一切の財産を、遺言者の【続柄】【氏名】に相続させる。

最後に「それ以外の財産」の行き先を書いておくと、書き漏らした財産があっても行き先がはっきりします。不動産や預金は、条ごとに「下記」として特定しておきましょう。

文例5:遺言執行者を指定する

寄付先に財産を届ける手続きをする遺言執行者も、遺言書で決めておきます。

文例5

第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
住所【住所】
氏名【氏名】
生年月日【生年月日】

民法1012条では、遺言執行者がいる場合、遺贈の履行は遺言執行者だけが行えるとされています。選び方は遺言執行者とは?役割と選び方でまとめています。

文例6:寄付先が受け取れない時の代わりを決める

日本公証人連合会は、渡す相手が先に亡くなった時などに備えて、代わりの受け取り手を決めておく「予備的な遺言」という書き方を紹介しています。寄付先の団体に何かあった時の代わりを決めておきたい時に参考になります。

文例6

第5条 前記第2条の遺贈が効力を生じない時は、同条の預金を、【別の団体の正式な名称】(所在地【所在地】)に遺贈する。

どんな場合を想定して書くかは、内容によって変わります。団体の状況が変わった時の扱いも含めて、公証人や専門家に相談してみてください。

文例7:付言事項で思いを伝える

付言事項は、財産の分け方とは別に、家族への気持ちや寄付の理由を書き添える部分です。法的な効力はありませんが、家族が遺言を受け止めやすくなります。

文例7

付言事項
私は、これまで支えてくれた家族に心から感謝しています。財産の一部を【団体の活動内容】に役立ててほしいと考え、【団体の正式な名称】に遺贈することにしました。家族の皆にも、この気持ちを理解してもらえるとうれしく思います。

寄付金の使い道に希望がある時は、ここに書き添える方法もあります。ただ、使い道を指定できるかどうかは団体によるので、先に問い合わせておきましょう。

自筆証書遺言で書く時の注意点

自分で書く自筆証書遺言は、費用をかけずに作れます。そのぶん、書き方のルールを自分で守る必要があります。

自筆証書遺言の要件(民法968条)
  • 全文・日付・氏名を、遺言者が自分で手書きして押印する
  • 日付は「何月吉日」ではなく、特定できる日付を書く
  • 財産目録はパソコンや通帳のコピーでもよいが、全ページに署名と押印をする
  • 訂正や追加は、場所を示して変更した旨を書き、署名と押印をする

『文例をパソコンで打って、署名だけ手書きでもいい?』と思う方もいますよね。日本公証人連合会によると、財産目録以外の本文をパソコンで作ったり、他の人に書いてもらったりすると、遺言は無効になります。

よくある失敗

団体名を略称や通称で書いてしまうと、どの団体か特定しにくくなります。法人の種類も含めた正式な名称と所在地を、団体に確かめてから書きましょう。

法務局に預けると安心が増える

自筆証書遺言は、法務局の保管制度を使って預けることができます。預ければ紛失や書き換えを防げて、亡くなった後の家庭裁判所の検認も要らなくなります。

保管制度では、A4の用紙、決められた余白、片面だけに書くなどの様式のルールもあります。遺言書の保管申請書には、受遺者として団体の名称なども書きます。詳しくは自筆証書遺言書保管制度とは?法務局に預ける手順で紹介しています。

公正証書遺言で作る時の進め方

公正証書遺言は、証人2人以上の立ち会いのもとで、公証人が作る遺言書です(民法969条)。この記事の文例を下書きとして、公証人に相談する使い方もできます。

日本公証人連合会によると、公証人への相談は無料で、本人や家族が直接、公証役場に電話やメールで相談しても差し支えありません。財産と渡したい相手をメモにして出すと、公証人が遺言の案を作ってくれます。

比べる点自筆証書遺言公正証書遺言
書く人本人が全文・日付・氏名を手書き公証人が文章にする
証人要らない2人以上の立ち会いが要る
費用自分で書けば不要(法務局に預けると手数料あり)財産の価額に応じた公証人手数料
方式の不備の心配自分で要件を守る必要がある公証人が作るので心配が小さい
家庭裁判所の検認要る(法務局に預けた場合は不要)要らない

公正証書遺言は、渡す財産の価額に応じた公証人手数料がかかります。手数料の目安や必要書類は公正証書遺言とは?作り方・必要書類と費用の目安でまとめています。

無効・受け取り不可・家族とのもめごとを防ぐために

遺言書を書いた後で困ることが多いのは、次のような場面です。ひとつずつ確かめておきましょう。

起こりうること防ぐために確かめたいこと
方式の不備で無効になる自筆なら民法968条の要件を守る。心配なら公正証書で作る
団体が財産を受け入れていない不動産・株式・割合での遺贈は、先に団体に問い合わせる
どの団体か特定できない正式な名称と所在地を書く
家族から遺留分を請求される家族に残す分を先に決め、遺留分を確かめる
遺言書が見つからない公正証書にするか、法務局に預けて通知制度を使う
遺言書で寄付する時に起こりうる問題と、その防ぎ方をまとめた図解

遺留分のことを考えておく

兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分という最低限の取り分があります(民法1042条)。遺留分を下回らせる遺贈をすると、相続人から寄付先の団体に、侵害額に当たるお金の支払いを求められることがあります。

遺留分の割合や考え方は遺留分とは?遺贈寄付の前に知っておきたい相続人の取り分で紹介しています。

不動産や株式の寄付は税金も確かめる

不動産や株式などを団体に遺贈すると、時価で譲渡があったものとみなされ、所得税がかかることがあります(国税庁 No.3108・2026年10月時点)。遺贈寄付ガイドのよくある質問でも、この場合は団体ではなく遺贈者の相続人が納税することになるため、事前に税理士と相談するよう説明しています。

国税庁長官の承認を受けた場合などに非課税となる特例もありますが、申請には期限があります。財産の種類で扱いが変わるので、書く前に税理士に確かめておきましょう。

書き直す時は新しい遺言で

考えが変わった時は、遺言の方式に従って、いつでも全部または一部を撤回できます(民法1022条)。前の遺言と後の遺言が食い違う部分は、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます(民法1023条)。

古い遺言と新しい遺言が混ざると、家族が戸惑うこともあります。書き直す時は、どの遺言が最新かが分かるように整理しておきましょう。

寄付先を探す具体例として、遺贈寄付ガイド(gooddo)の場合

遺言書に書く寄付先がまだ決まっていない方もいますよね。寄付先を探す方法のひとつとして、gooddo(グッドゥ)が運営する遺贈寄付ガイドを例に紹介します。

項目遺贈寄付ガイドの公式サイトの記載
掲載団体2026年10月時点で142件
探し方活動テーマ・活動エリア・寄付する財産の種類・運営母体・対応可能項目
財産の種類で探す全財産、現預金、不動産、金融資産(有価証券など)、一般動産
対応可能項目の例包括遺贈の相談、寄付金の使途指定、冠基金の設立、相続財産からの寄付における相続税の控除など
相談遺贈寄付の専門家と協力した無料相談会を実施

団体ページには、受け入れる財産の種類や遺贈寄付の使途、法人格や財務データへのリンクが載っています。文例の【団体の正式な名称】に入れる名前も、ここから問い合わせて確かめるきっかけになります。

近くに相談できる人がいない時は、公式の無料相談お申し込みフォームから無料相談会に申し込めます。使い方は遺贈寄付ガイドの使い方で紹介しています。

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gooddoが運営する遺贈寄付ガイドでは、子ども・教育や医療、動物保護、災害救援など活動テーマや、現預金・不動産・有価証券といった寄付したい財産の種類、寄付金控除や紺綬褒章の推薦への対応などの条件から寄付先を探せます。専門家と協力した無料相談会も案内されています。

相談無料遺贈寄付ガイドで寄付先を探す

(gooddoが運営する遺贈寄付ガイドの公式サイトに移動します)

遺言書の書き方や税金の扱いは、財産や家族の状況で変わります。個別の判断は、税理士・弁護士・司法書士・税務署・公証役場で確認してください。

よくある質問

団体に寄付する時は「相続させる」と書いてもいいですか?

法務省の案内では、相続人になる予定の人以外には「相続させる」ではなく「遺贈する」と書くとされています。団体は相続人ではないので、「遺贈する」と書きます。

遺言書に書く団体名は略称でもいいですか?

どの団体か特定できるよう、法人の種類も含めた正式な名称と所在地を書くのが安心です。団体の窓口に問い合わせて確かめておきましょう。

文例をパソコンで作って、署名だけ手書きにしてもいいですか?

自筆証書遺言では、財産目録以外の本文を手書きする必要があり、パソコンで作ると無効になります。手書きが難しい時は、公証人が作る公正証書遺言を考えてみてください。

寄付金の使い道を遺言書で指定できますか?

付言事項に希望を書き添える方法があります。使い道を指定できるかは団体によるので、遺言書を書く前に寄付先に問い合わせておきましょう。

遺言書を書いた後で、寄付先を変えられますか?

変えられます。遺言はいつでも遺言の方式に従って撤回や変更ができ、前の遺言と食い違う部分は後の遺言が優先されます(民法1022条・1023条)。

まとめ

この記事の要点
  • 団体への寄付は、遺言書に「【団体名】に遺贈する」と書く
  • 書く前に、寄付先の正式な名称と、受け入れられる財産を問い合わせておく
  • 預金の特定、金額、割合など、渡し方に合った文例を使い、遺言執行者も指定する
  • 付言事項で、家族への気持ちや寄付の理由を伝えられる
  • 方式の不備・遺留分・税金に気をつけ、迷ったら専門家や公証役場に確かめる

出典として、e-Gov法令検索 民法、法務省 遺言書の様式等についての注意事項、日本公証人連合会 遺言、国税庁 No.3108を参考にしています。

寄付サイトガイド

寄付サイトガイド 編集部

寄付と遺贈寄付の仕組み、寄付先の選び方、寄付金控除や相続税の扱い、遺言書の作り方を、公式情報と国税庁・法務省など公的機関の情報をもとに整理している案内サイトです。 公式サイト

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