紺綬褒章とは?寄付で受章する条件と推薦の流れ、遺贈との関係

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まとまった額の寄付を考えていると、「紺綬褒章」という言葉を目にすることがありますよね。名前は聞いたことがあっても、どんな人がもらえるのかは意外と知られていません。

結論から言うと、紺綬褒章は「公益のために私財を寄附した方」に国から贈られる褒章です。個人なら寄附金額500万円以上が目安になり、寄付先の推薦にもとづいて審査されます(内閣府賞勲局)。

この記事を読むと、紺綬褒章の条件と対象になる寄付先、推薦の流れ、遺贈寄付との関係が分かります。

目次

紺綬褒章とはどんな褒章?

紺綬褒章は、内閣府賞勲局が所管する褒章のひとつです。内閣府の説明では、授与の対象は「公益のため私財を寄附した方」とされています。

褒章は、明治14年の褒章条例から始まった制度です。紺綬褒章は大正7年に定められ、今も続いています(内閣府「褒章の種類及び授与対象」)。

先に結論

紺綬褒章は「寄付をした事実」に対して贈られる褒章です。仕事の功績や長年の活動ではなく、公益のための寄附そのものが対象になります。

褒章は6種類あり、リボンの色で分かれている

褒章のデザインは、「褒章」の二字を桜の花で飾った円形のメダルです。綬(リボン)の色で6種類に分かれています(内閣府)。

褒章主な授与対象(内閣府の記載を要約)
紅綬褒章自分の危険を顧みず人命の救助に尽力した方
緑綬褒章長年ボランティア活動に従事し、顕著な実績を挙げた方
黄綬褒章農業・商業・工業などの業務に励み、模範となる技術や事績がある方
紫綬褒章科学技術・学術・スポーツ・芸術文化で優れた業績を挙げた方
藍綬褒章産業の振興や社会福祉の増進、公共の事務に尽力した方
紺綬褒章公益のため私財を寄附した方

この中で、寄付に関わるのは紺綬褒章だけです。「寄付 褒章」と調べた時に出てくるのは、ほぼこの紺綬褒章の話なんです。

「寄付で勲章がもらえる」は本当?

『寄付をすると勲章がもらえるって聞いたけど?』と思った方もいるかもしれません。ここは言葉が混ざりやすいところです。

内閣府の制度では、勲章と褒章は別のものです。勲章は春秋叙勲などで各界の功労者に贈られ、褒章は特定の分野での事績に対して贈られます。

寄附に対して贈られるのは、勲章ではなく紺綬褒章です。「寄付 勲章」と検索した時も、実際には紺綬褒章のことを指している場合が多いはずですよ。

ほかの褒章と授与の時期が違う

紅綬・緑綬・黄綬・紫綬・藍綬の褒章は、毎年春は4月29日、秋は11月3日に授与されます(内閣府「勲章・褒章制度の概要」)。

一方で紺綬褒章は、「表彰されるべき事績の生じた都度」、各府省等の推薦にもとづいて審査し、授与を行うと説明されています。春と秋にまとめてではなく、寄付があった都度に進む仕組みなんです。

受章の条件は?寄附金額の基準

紺綬褒章の授与基準は、昭和55年11月28日の閣議決定「紺綬褒章等の授与基準について」で決められています。内閣府賞勲局が資料として公開しているものです。

個人は500万円以上が基準

個人が紺綬褒章を受ける基準は、寄附金額500万円以上です。団体等の場合は褒章に代えて褒状が贈られ、その基準は1,000万円以上です。

授与基準の中身を、表にまとめておきますね。

区分授与されるもの寄附金額の基準
個人紺綬褒章500万円以上
団体等褒状(紺綬褒章に代えて)1,000万円以上
1,500万円以上の場合紺綬褒章と木杯第五号1,500万円以上2,500万円未満
同上紺綬褒章と木杯第六号2,500万円以上5,000万円未満
同上紺綬褒章と木杯第七号5,000万円以上
紺綬褒章の授与基準として、個人500万円以上・団体等の褒状1,000万円以上・木杯の3段階の基準を示した図解

木杯とは

寄附金額が1,500万円以上の場合は、紺綬褒章と併せて木杯が贈られます。金額の幅によって第五号から第七号までの3つに分かれています。

『木杯ってどんなもの?』と思いますよね。名前のとおり木製の杯で、褒章と一緒に贈られる記念品と考えると分かりやすいです。

基準の金額だけで決まるわけではない

授与基準は「寄附金額」の目安です。実際には、寄付先が推薦し、内閣府賞勲局が審査して授与が決まります。

ですから、500万円を寄付すれば自動的に届くものではありません。寄付先が推薦の手続きに対応しているか、先に確かめておくことが大切です。

紺綬褒章の対象になる寄付先は?

紺綬褒章の対象になるのは、どこへの寄附でもよいわけではありません。内閣府は、対象となる寄附先を次のように説明しています。

  • 国
  • 地方公共団体
  • 公益団体(公益を目的とし、法人格を持ち、公益の増進に著しく寄与する事業を行う団体で、関係の深い府省等の申請にもとづいて賞勲局が認定した団体)

ここが大事なところです。公益団体として認められるには、賞勲局の認定が必要なんです。

認定された団体の一覧は内閣府が公開している

内閣府のページには、紺綬褒章の「公益団体」として認定する団体の一覧(PDF)が載っています。気になる寄付先が入っているかは、この一覧で確かめられます。

同じ公益財団法人や認定NPO法人でも、認定を受けているかどうかは団体ごとに違います。法人格だけで判断せず、一覧か寄付先の窓口で確認しておきましょう。

ふるさと納税など、返礼品を受け取った寄附は対象外

内閣府の説明では、地方公共団体等への寄附について、寄附者が返礼品(記念品の類を除く)を受け取った場合は紺綬褒章の対象になりません。

『ふるさと納税で500万円寄付したらもらえる?』と考えた方もいるかもしれません。返礼品を受け取っていれば対象外になる、と覚えておくと安心です。

寄付先が対象か確かめるチェック
  • 寄付先が国・地方公共団体・認定された公益団体のどれかを確かめる
  • 内閣府の公益団体一覧に名前があるかを見る
  • 寄付先が紺綬褒章の推薦に対応しているかを問い合わせる
  • 地方公共団体への寄附なら、返礼品を受け取らない形かを確かめる

自治体や大学への寄付はどう考える?

地方公共団体は、内閣府が挙げる対象の中に入っています。ふるさと納税のように返礼品がある仕組みでなければ、市区町村や都道府県への寄附も対象になりうるんです。

大学などの学校法人や国立大学法人は、法人の種類だけでは判断できません。公益団体の一覧に入っているか、大学の寄付の窓口で推薦に対応しているかを聞いてみてください。

寄付先の選び方そのものは、寄付先の選び方と信頼できる団体を見分けるポイントでくわしく紹介しています。

推薦から受章までの流れ

紺綬褒章は、寄附した人が自分で内閣府に申し込む仕組みではありません。内閣府の説明では、各府省等の推薦にもとづいて審査し、授与を行うとされています。

実際には、寄付を受けた団体などが関係する府省等とやり取りを進めるのが一般的です。どの書類が必要か、どのくらい時間がかかるかは、寄付先によって案内が違います。

寄付から受章までのおおまかな流れ
  1. 紺綬褒章の推薦に対応している寄付先かを確かめる
  2. 寄付の金額と方法を寄付先と相談して決める
  3. 寄附を行い、寄付先から受領の書類を受け取る
  4. 寄付先を通じて、関係する府省等から推薦が行われる
  5. 内閣府賞勲局で審査され、授与が決まる
  6. 褒章(と該当する場合は木杯)が伝達される
紺綬褒章の推薦に対応する寄付先の確認から寄附、府省等の推薦、内閣府賞勲局の審査、授与までの流れを示した図解

寄付の前に聞いておきたいこと

推薦の手続きは寄付先が中心になって進めるので、寄付の前に一度話を聞いておくと安心です。例えばこんなふうに尋ねると、話が早く進みます。

「紺綬褒章の推薦に対応していますか?」「推薦を希望する場合、寄付の時に伝えておくことはありますか?」

受章を望まない場合も、その旨を伝えておけば大丈夫です。紺綬褒章はあくまで結果として贈られるものなので、希望するかどうかは自分で決めてかまいません。

複数回に分けた寄付はどうなる?

『何回かに分けて寄付した場合も合わせて数えてもらえるの?』という疑問もよく出てきます。合算の扱いについて、今回確かめた内閣府の公開ページには細かな記載がありませんでした。

分けて寄付する予定があるなら、最初の寄付の前に寄付先へ確認しておくのが確実な方法です。推薦を進める側の団体が、扱いをよく知っています。

遺贈寄付でも紺綬褒章は受けられる?

遺言で財産を寄付する「遺贈寄付」を考えている方にとって、気になるのがここですよね。亡くなった後の寄付は表彰されるのか、という点です。

紺綬褒章の授与基準には、「追賞」の基準も決められています。褒章条例により表彰されるべき方が亡くなった場合に、その遺族に木杯または褒状を贈る仕組みです(内閣府「勲章・褒章制度の概要」)。

追賞で授与されるもの寄附金額の基準
褒状500万円以上1,500万円未満
木杯第五号1,500万円以上2,500万円未満
木杯第六号2,500万円以上5,000万円未満
木杯第七号5,000万円以上

つまり、亡くなった後は本人に褒章が贈られるのではなく、遺族への追賞という形になります。生前の寄付とは、受け取る人と贈られるものが変わるんです。

遺贈寄付の扱いは寄付先に確認を

遺贈寄付が追賞の対象としてどう扱われるかは、寄付先と、推薦を行う府省等の判断に関わります。遺言を作る前に、寄付先に「紺綬褒章の推薦に対応しているか」「遺贈の場合はどうなるか」を確かめておきましょう。

遺言に書いておきたいこと

遺贈寄付で推薦を希望するなら、家族や遺言執行者がその思いを知っていることが大切です。寄付先の名前を正確に書くことや、遺言執行者を決めておくことも、手続きをスムーズにします。

遺言での寄付の仕組みは、遺贈寄付とは?仕組みと始め方で紹介しています。寄付先選びから遺言書づくりまでの順番は、遺贈寄付の手順が参考になりますよ。

生前の寄付と遺贈寄付の違い

比べること生前の寄付遺贈寄付(遺言による寄付)
寄付のタイミング生きているうちに行う亡くなった後、遺言にもとづいて行われる
紺綬褒章の授与本人が受章する遺族への追賞(木杯または褒状)という形になる
推薦の手続き寄付先と本人でやり取りできる寄付先と遺族・遺言執行者がやり取りする
事前に決めておくこと寄付先・金額・推薦の希望寄付先・遺言の内容・遺言執行者・家族への共有

どちらが良いというものではありません。自分の暮らしや家族の状況に合わせて、無理のない形を選んでみてください。

紺綬褒章を考える前に、知っておきたいこと

紺綬褒章は、寄付をした人の思いを国が形にしてくれる制度です。ただ、褒章を受けることそのものを目的にすると、寄付先選びがぶれてしまうことも。

税金の優遇は別の仕組み

紺綬褒章と、寄附金控除などの税金の優遇は別の制度です。褒章の対象になる寄付だからといって、税金が軽くなるとは限りません。

国税庁のタックスアンサー1150では、国や地方公共団体、特定公益増進法人などに「特定寄附金」を支出した場合に、寄附金控除を受けられると説明されています。控除を受けるには確定申告が必要で、寄付先から受け取った受領証を添付または提示します(2026年10月時点)。

相続や遺贈で受け取った財産を、相続税の申告期限までに国や特定の公益法人などに寄附した場合の特例は、タックスアンサー4141に載っています。税金のくわしい考え方は、寄付金控除とは?対象になる寄付と計算の考え方を読んでみてください。

「節税になるはず」と決めつけない

寄付先の法人格や寄付の方法によって、税金の扱いは変わります。最新の内容は国税庁のページで確認し、個別のケースは税理士や税務署に相談しておくと安心です。

自分の暮らしを優先して決める

500万円という基準は、決して小さな金額ではありません。褒章の基準に合わせるために、生活に必要なお金まで寄付に回すのは避けたいところです。

『せっかくなら基準に届く額にしたい』と思う気持ちは自然です。ただ、寄付は余裕のある範囲で行うもの。基準に届かなくても、寄付の価値は変わりませんよ。

団体からの感謝状という形もある

国の褒章とは別に、寄付先の団体が独自に感謝状や表彰を用意していることもあります。銘板や基金に名前を残せる団体もあります。

「形に残したい」という思いがあるなら、紺綬褒章だけでなく、こうした団体ごとの対応も比べてみてください。

紺綬褒章について、よく聞かれる疑問

紺綬褒章について調べている人の疑問は、大きく3つに分かれます。どれも、寄付先に聞けば答えが分かるものがほとんどです。

1つ目は「いくら寄付すればもらえるのか」という金額の疑問です。これは内閣府の授与基準で、個人は500万円以上と決まっています。

2つ目は「どこに寄付すれば対象になるのか」という寄付先の疑問です。国・地方公共団体・賞勲局が認定した公益団体が対象で、一覧は内閣府のページで確かめられます。

3つ目は「どうやって申し込むのか」という手続きの疑問です。本人が直接申し込むのではなく、寄付先を通じた府省等の推薦で進む、と覚えておくと迷いません。

寄付先に聞いておきたいこと
  • 紺綬褒章の推薦に対応しているか
  • 推薦を希望する時に、寄付の前に伝えることはあるか
  • 分けて寄付した場合の扱いはどうなるか
  • 遺贈寄付の場合はどう扱われるか
  • 寄附金控除の対象になる寄付か、受領証は出るか

寄付先を探す具体例として、遺贈寄付ガイド(gooddo)の場合

紺綬褒章の推薦に対応している寄付先を探すのは、ひとりだと手間がかかりますよね。寄付先の情報サイトのひとつ、gooddo(グッドゥ)が運営する遺贈寄付ガイドを例に見てみます。

遺贈寄付ガイドは、gooddo株式会社が運営する遺贈寄付の情報サイトです。2026年10月時点で142件の団体が掲載されています。

探し方公式サイトで選べる主な条件(2026年10月時点)
活動テーマ子ども・教育、医療・難病、国際協力、災害救援・復興、環境、動物保護など
寄付する財産の種類全財産、現預金、不動産、金融資産(有価証券等)、一般動産
対応可能項目寄付金控除、包括遺贈の相談、紺綬褒章の推薦、対面相談、冠基金の設立、団体からの感謝状・表彰など

対応可能項目の「紺綬褒章の推薦」で絞り込むと、2026年10月時点で33団体が表示されます。数は日々変わるので、最新は公式サイトで確認してください。

団体ページには、受け入れる財産の種類や遺贈寄付の使途、法人格、財務データへのリンクが載っています。紺綬褒章のほかに、寄付金控除や感謝状への対応もまとめて見比べられるのが便利なところです。

遺贈寄付の専門家と協力した無料相談会も実施されています。公式のよくある質問では、団体に相談したからといって寄付しなければならないわけではなく、最終的に決めるのは相談者自身だと説明されています。

使い方は遺贈寄付ガイドの使い方でくわしく紹介しています。気になったら、まずは条件で絞り込んで、どんな団体があるかを眺めてみるのが早いですよ。

遺贈寄付ガイド

遺贈寄付ガイドで、想いを託せる寄付先を探してみる

gooddoが運営する遺贈寄付ガイドでは、子ども・教育や医療、動物保護、災害救援など活動テーマや、現預金・不動産・有価証券といった寄付したい財産の種類、寄付金控除や紺綬褒章の推薦への対応などの条件から寄付先を探せます。専門家と協力した無料相談会も案内されています。

相談無料遺贈寄付ガイドで寄付先を探す

(gooddoが運営する遺贈寄付ガイドの公式サイトに移動します)

紺綬褒章の推薦や寄付の税金の扱いは、寄付の方法や家族の状況で変わります。個別の判断は、税理士・弁護士・司法書士・税務署・公証役場で確認してください。

よくある質問

紺綬褒章はいくら寄付すればもらえますか?

内閣府の授与基準では、個人は寄附金額500万円以上です。団体等の場合は褒章に代えて褒状が贈られ、基準は1,000万円以上です。金額だけで自動的に決まるのではなく、府省等の推薦と内閣府賞勲局の審査を経て授与されます。

どこに寄付しても紺綬褒章の対象になりますか?

対象は国・地方公共団体と、賞勲局が認定した公益団体への寄附です。認定された団体の一覧は内閣府のページで公開されています。気になる寄付先が対象かどうかは、一覧か寄付先の窓口で確かめてみてください。

ふるさと納税でも紺綬褒章はもらえますか?

内閣府の説明では、地方公共団体等への寄附で返礼品(記念品の類を除く)を受け取った場合は対象になりません。返礼品を受け取らない形の寄附かどうかがポイントです。

遺贈寄付でも紺綬褒章は受けられますか?

授与基準には、表彰されるべき方が亡くなった場合に遺族へ木杯または褒状を贈る「追賞」の基準があります。遺贈寄付がどう扱われるかは寄付先と推薦を行う府省等の判断に関わるので、遺言を作る前に寄付先へ確認しておきましょう。

紺綬褒章の対象になる寄付は、税金も安くなりますか?

紺綬褒章と寄附金控除は別の制度です。控除の対象かどうかは寄付先の法人格などで変わり、国税庁のタックスアンサー1150で条件を確かめられます。個別のケースは税理士や税務署に相談してください。

まとめ

この記事の要点
  • 紺綬褒章は「公益のため私財を寄附した方」に贈られる褒章(内閣府)
  • 個人は寄附金額500万円以上、団体等は1,000万円以上で褒状が基準
  • 1,500万円以上は紺綬褒章と併せて木杯が贈られる
  • 対象は国・地方公共団体・賞勲局が認定した公益団体への寄附で、返礼品を受け取った寄附は対象外
  • 本人が申し込むのではなく、寄付先を通じた府省等の推薦で審査される
  • 亡くなった後は遺族への追賞という形になるので、遺贈寄付の扱いは寄付先に確認する
寄付サイトガイド

寄付サイトガイド 編集部

寄付と遺贈寄付の仕組み、寄付先の選び方、寄付金控除や相続税の扱い、遺言書の作り方を、公式情報と国税庁・法務省など公的機関の情報をもとに整理している案内サイトです。 公式サイト

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